こちらの記事で取材をさせていただいた小林紘大さん(以下、コウダイさん)。
このコウダイさんが代表取締役を務める株式会社新潟家守舎では、遊休不動産と呼ばれる空き家・空きビルなどのリノベーションプラン事業などを展開しています。
そして、現在ある事業は上記の画像の3つ。その中の1つに「AMINARI」というサービスがあります。
INDEX
AMINARI(アミナリ)とは
AMINARI(アミナリ)とは、「建築プロデュースに、キャスティングの力。」をコンセプトとした遊休不動産(空き家、空き店舗など)建築プロデュースサービスです。
コウダイさんの持つ広い人脈を生かして、プロジェクトメンバーを自由に選び、チームを編成。 その建築物にとって最適なプロフェッショナルを招集することで、パフォーマンスの最大化を望むことができるといいます。
そして今回、このサービスのもとお店を建てられ、店舗オープンを間近に控えたお店があるとのこと。ということで、そのお店を事例として、AMINARIがどのようなサービスなのかを紹介していきます。
新潟家守舎ディレクションのもと店舗を建てられた「フレンチカレーとお菓子の店Pino」
そのお店とは、2022年4月15日にオープンを控える 「フレンチカレーとお菓子の店Pino」さん。
あるイベントでの出会いからコウダイさんに店舗の建築をお願いすることになり、現在工事真っ最中だというPinoさん。どのような流れで施工が進んだのか、またお願いして良かったと思ったことなどについて、詳しくお伺いしていきます!
物件探しに難航するなか、イベントにてコウダイさんと出会う
もともと、斎藤さんご夫婦は東京で飲食系のお仕事をされていたんですよね。お子さんがお生まれになったのとコロナ流行のため、ご実家のある新潟に帰ってお店を出す決意をされたとのことですが、コウダイさんとはどのように出会われたのですか?
新潟でお店を出そうと決意してからずっと物件を探していたんですが、なかなかピンと来るところがなくて……。そんなときふと駅の中にあるMOYORe:に入ったら、エリアリノベーションのトークショーの案内が目に留まって、参加してみようと思ったんです。
※画像はMOYORe:公式HPより
コウダイさんとはこのイベントきっかけで出会いました。そして、お話を聞かせていただいて面白そうな人だなと思い、イベント参加後に僕が新潟でお店を建てたいと思っている旨を直接相談させていただいたんです。そこでコウダイさんが飲食店のディレクションもしたことがあると聞き、「後日きちんと話してみよう」となりました。
このとき、店名やお店で何を出すかなどは、なにも決まってませんでしたよね!その後zoomで、どういう人なの?今何をしているの?どんなお店を作りたいの?など、斎藤さんご夫婦にいろいろお話を聞きました。
その中で、のぶさんの奥さん はるさんが新潟市北区松浜出身だということを知り、僕がメンバーとして活動している「松浜Rプロジェクト」と絡められるんじゃないかなと思いました。結果、このzoomでは「松浜で良い空き家があったらそれをリノベーションしてお店を作ってみようか」という結論になりましたね。
※画像は公式Facebookより
松浜Rプロジェクトとは
地元不動産業者と工務店(ハマ不動産・今回の施工業者ハマ総合企画)を経営している小林啓一郎さんと仲間たち(コウダイさんなど)が、新潟市北区松浜地エリアの活性化を目的に立ち上げたプロジェクト。遊休不動産(空き家、空き店舗など)の利活用を通じてコミュニティを再構築し、地域ブランドの再生・進化を目指している。主な施工事例は遊休化していたスーパーの一角を改装してできたシェアキッチン「CROSS HARBOR」。シェアキッチンとして一般の方に時間貸しを行い、住民の交流の場になってるほか、昼間は障がい者の就労支援施設としても営業を行っている。
イベントを通してコウダイさんと出会った斎藤さんご夫婦。とんとん拍子でコウダイさんにお店の設計をお願いすることになり、そのプロジェクトメンバーに、まずは松浜Rプロジェクトの小林啓一郎さんが加わりました。
遊休不動産であった賃貸住宅を飲食店に
このような経緯から、松浜で空き家を探すこととなったPinoさんとコウダイさん。その後無事候補となる空き家を見つけることができましたが、そこは元々賃貸住宅として貸し出されていた物件でした。
住居としての賃貸物件を飲食店として使いたいということで、まずはオーナーさんへのご説明・説得を行いました。住まいとは違い、飲食店って人も多く集まるからガヤガヤするし、オーナーさんにとって、貸すことへの不安要素が大きいんですよね。
ということで、我々がお店にかける想いや、リノベーション後の物件イメージなどの資料を作って、 CROSS HARBORでオーナーさんにプレゼンテーションをしたんです(笑)シェアキッチンまでしっかり貸し切って、最後には売り出す予定のカレーを実際に食べていただいたりもしましたよ。
結果、オーナーさんにも喜んでもらえて、すごく良いプレゼンテーションでしたよね。
工事を始めた当初のpinoさん。賃貸にしてはかなり大規模な工事をしているように感じます。
賃貸なのでいずれは出ることになるかもしれないのに、ここまでいじってもいいんだ~!って僕もびっくりしてます。でもそれは、コウダイさんや建築士さんが退去後のことも考えて設計してくれたおかげ。オーナーさんにも丁寧に説明してくれたので、原状復帰もほぼしなくていいよっておっしゃって下さいました。本当にありがたいです。
いえ、僕としても非常に楽しく、やりがいのある体験でした!
その後、改めてご夫婦がやりたいこと、建築にかけられる予算などについてお聞きしながら、 コウダイさん・啓一郎さん・Pinoさんご夫婦で事業計画書も作成。結果、 「フレンチカレーとお菓子の店Pino」としてお店をやっていく決意を固めることができたといいます。
自分のお店を建てるって、普段する買い物とは比べられないくらいに大きいお金が動く話。かなり大切にしたいところですよね。
コウダイさんたちはそういう部分もしっかり考え、事業計画書にまで関わってくれたたうえで、建築プランを考えてくれるんだ……!
オープン前から積極的にファンづくり
物件が決まったらいよいよ建築に入りますが、集客についても考え始めていたというコウダイさん。
お店を始める前からファンを付けておくことで開店後の集客も楽になると思うので、まずは
・早めに店舗ロゴ作成&それを使用してSNSアカウント始動
・イベントにて商品の試験販売
を提案しました。
ロゴに関しても、コウダイさんの方で斎藤さんご夫婦の雰囲気に合いそうなデザイナーのサルキジーヌ上野有理さんを紹介。また、コウダイさんはロゴ作成にあたっての打ち合わせにも参加し、上野さんと一緒にデザインを考えるシーンもあったといいます。結果、このようなロゴが完成しました。
こちらのロゴ、見事一発OK!ご夫婦も大満足の出来だったそうです。
また、新潟家守舎が共同主催で行っているイベント「本町8banマーケット」での出店もサポートされ、店舗完成前に試験的にカレー・お菓子の販売も行うことができました。
お店ができる前、実際にお客さまに食べてもらえる機会をいただけたのは本当にありがたかったです。「美味しい!」って言ってくださるお客さんがいたことは自信に繋がりましたし、オープン後の宣伝もできました。お客さまの反応を見て、カレーの味もちょっとずつ変えてみたり、味もブラッシュアップできました。
イベント出店のような機会を提供できるというのも、さまざまなプロジェクトを運営されているコウダイさんだからこそできることですね。
長く愛されるお店にするため、建築プロセスを大切に
その後、建築に必要な人材のキャスティング、準備などを終え、着工したのは2022年1月。取材に訪れた3月中旬は、店舗の外観、内装がこのような感じでした。
まだ完成してはいないですが、すごく素敵ですね!店内のこの開けた空間や、可愛らしい外観を見るだけでワクワクします。
かわいくできましたよね!
この外壁は魚沼杉を使っています。地域の材料を地域で使う。まさに地域の食材を調理するような、ストーリー性のある素材を使うことを重視しました。
また、この日は設計・建築に関わった方が6名ほど集合して、みんなで壁塗りを行っていました。
こうやって、自分たちが参加できるところは参加することで、より店舗に愛着がわきますよね。
また、イベントでの試験販売もそうですが、お店がオープンする前から人との繋がりを作っていくことで、よりたくさんの人に愛されるお店になっていくと思います。一緒に作業することで、仲も深まりますし!
長く愛されるお店を作るためには、 ストーリー性のある資材を使う、作業にはなるべく多くの人が参加できるようにするなど、建築までのプロセスに意味を持たせること(=プロセスメイキング)が重要だというコウダイさん。
ちなみに、私もほーーんの少しだけ壁塗りに参加させていただいたんですが、普通のお店よりかなり特別な気持ちが生まれました!(笑)オープン後はこの壁を見に、早めにPinoさん伺いたいと思います。
ただ店舗を建てて終わりではなく、“事業としての成功”がゴール
最後に、施工を進めるうえで、コウダイさんに頼んでよかったな~助かったな~と思ったことなどありますか?
そうですね、一番助かったのは、「自分たちの意図をくみ取った上で、選択肢を絞って提案してくれたこと」でした。
例えば、普通の工務店さんでお店を建てるとなったら、壁紙ひとつ選ぶとしてもきっと選択肢がたくさんあって、自分たちで決めないといけませんよね。そうなると、デザインやコスト的に、どうするべきなのかかなり迷ってしまっていたと思います。
でも、コウダイさんはその部分も考えて選択肢を数個に絞って提案してくれたので、選択に時間がかかることもなくスムーズに進められて、本当に助かりました!
ほお~。そうですよね。自分が専門ではない分野で、実現したい内容と費用感のバランスを取りつつ決断していくのってすごく難しいことだと思います。この部分のサポートは、コウダイさんも意識されているところなんでしょうか?
そうですね。やっぱり事業としてちゃんと成功してほしい、それがゴールだと思っているので。やりたい空間を作った結果、初期投資額が何百万も上がってしまって、投資回収が遅れてしまっては、あんまりよろしくないですよね。なので、かけられるコスト内でどれだけ最大級のパフォーマンスができるか、こちらから提案してあげるということは、常に意識しています。
そしてそれを実現するためには、いかに適切なキャスティングを行えるかも重要。人との繋がりは僕の武器でもあるので、さまざまな方の力をお借りしながら、これからも最高の建築物を作っていきたいです。
まとめ
ということで、今回は「フレンチカレーとお菓子の店Pino」さんの事例をもとに、新潟家守舎の建築プロデュースサービス「AMINARI」について、サービスの流れなどを大まかに紹介しました。
コウダイさんのお声がけのもと、たくさんの人の力が集結して作られたこのPinoさん。 取材をする中で、もうすぐ建つ店舗の中で、「ここのカウンターいいですよね~」「この窓から見える景色最高だろうな!」と、期待に胸を膨らませながらお話してくれた斎藤さんご夫婦や、コウダイさんの姿がすごく印象に残っています。
この店舗を本当に大事に思っていることが伝わってきて、その思いがPinoに訪れた多くの方々に伝染し、これから先も長く、多くの人に愛される店舗になっていくんだろうなと感じました。引き続き、これからのご活躍に期待しております!
この記事を読んで
・自分が持っている物件も、Pinoさんのような形にリノベーションし有効活用したい
・Pinoさんのような雰囲気の建築物を建てたい
と思って下さった方は、ぜひ株式会社新潟家守舎さんのお問い合わせフォームからご連絡ください。
写真撮影:小林千裕
社名 | 株式会社新潟家守舎 |
住所 | 〒950-0075 新潟県新潟市中央区沼垂東1丁目8−22 NECONOMA |
お問い合わせ | こちらのフォームよりお願いいたします |
HP、SNS等 | 公式HP、Facebook、Twitter、Instagram、note、YouTube |
フレンチカレーとお菓子の店Pino 店舗情報
ちなみに、今回紹介したPinoさんのオープン日は4/15(金)の11時。SNSを見る限り、店舗の内装もかなり完成に近づいているようです!
早く店舗にお邪魔したい~そしてカレーとお菓子も食べたい~!と悶絶している私ですが、実は、この取材の日にまかないのカレーをいただいていたのです……。これがもう美味しくって美味しくってね……。
もう食べたとき野菜の甘みがすごかったのよ! Pinoさんのカレーは、肉のホネやスジ、甲殻類のカラなどからとる出汁をベースに玉ねぎ、にんじん、キノコなどの野菜ペースト、ワイン、スパイス、フルーツなどを合わせて作っているんですって。どうりで深みのある味がしたわけだ。
フレンチレストランで働いていた経験のあるのぶさんが、食材を無駄にしないフレンチの技法とカレーを掛け合わせて作った「フレンチカレー」。 店舗で食べるのが楽しみです!
こちらのnoteも素晴らしいので読んでみてね。→フレンチカレー説明書/のぶ@カレーとお菓子屋Pino
住所 | 新潟市北区松浜本町1-13-6(地図) |
営業時間 | lunch 11:00-14:30 cafe 14:30-17:00 |
定休日 | 木曜日+不定休 |
駐車場 | あり(店舗横に6台) |
HP、SNS等 | Instagram、note |
取材依頼お待ちしています
セナポンでは、1年間365日「取材をしてほしい!」というご依頼をお待ちしております。あなたの“かがやき”を発見したり、届けたい想いを言葉にするお手伝いをさせてください。サイトの閲覧層や料金プラン、実際に記事を書かせていただいた方々からの声などはこちらから。
ご連絡はお問い合わせフォームかTwitterのDMまで、よろしくお願いします!
また、「そもそもセナポンって何なの?」という方はこちらのページをご覧ください。
取材・記事広告依頼承ります
あなたの持つ"かがやき"を発見し、届けたい想いを言葉にする。セナポンにそのお手伝いをさせてくれませんか?