
思い出はいつも綺麗だけど、それだけじゃお腹が空くわ……。
いやー世の中というのは実に便利なものでして、僕のように自炊能力ゼロ以下の男でも問題なくおいしいものを食べて暮らすことができます。
最近の冷凍食品とかカップ麺って本当にクオリティ高いし、外に出ればそこら中に飲食店がありますしね。
だけど、沢山あるぶん入れ替わりも激しいのが飲食店業界というもの。

あ、ここオープンしたんだ 。
と思った数か月後には、

あれ、閉店してる…… ?
となることもしばしば。
話によると、新規開店した飲食店のおよそ7割が3年以内に閉店をしてしまっていると聞きます。厳しい世界や。
そしてそれは新規店に限ったことではありません。さまざまな理由こそあれ、長年愛された名店がお店を畳むということもままあります。
失われてしまった、もう食べれないあの味……あの一杯……あのラーメン……!
ああ! 思い出しただけでも寂しさで胸が痛み、腹はグゥグゥと音を立てます。これは我が胃袋の慟哭でしょうか。
というわけで今回は思い出に浸りつつ、もう既に閉店してしまった新潟のラーメン屋を紹介していきたいと思います。
皆さんの愛したあの店やこの店が入っているかも分かりませんので、ノスタルジーな気持ちとともに読んでみてちょうだいね。
INDEX
復活求ム! 新潟の閉店してしまったラーメン屋たち
独自の濃厚白味噌ラーメン「らーめん古潭」


※写真は編集長フジタのブログより
新潟市西蒲区にありましたらーめん古潭。
「知る人ぞ知る」な雰囲気漂うこちらのお店は地域住民を中心に根強い人気を獲得していた老舗ラーメン屋でしたが、惜しまれつつも2019年9月に閉店。

閉店した時は悲しすぎてビールも6杯しか喉を通りませんでした。
こまどりや東横で有名な新潟濃厚味噌ラーメンとはまた違ったベクトルの濃厚味噌で、こちらは白味噌を使っているためスープは白っぽい仕上がりになっています。
これを豚骨スープと合わせることで独自の味を作り出したとのこと。
調べていて気になったのですが、トッピングに納豆があるんですよねこのお店。他では見たことがない。
それだけに一度食べてみたかったなと今更ながら惜しんでおります。
クリーミーな濃厚担々麺「麺屋 茉莉蔵」

※写真は編集長フジタのブログより
こちらは中央区弁天橋通にありました麺屋 茉莉蔵(まりぞう)。
担々麺を看板メニューとしていた人気店でしたが2019年7月をもって閉店。

会社の人も友人も口をそろえて「ここの担々麺はめちゃ美味い!」と言っていました。
こちらの担々麺は非常にクリーミー、かつ飽きのこない絶妙なバランスの一杯でして。
それだけに具材として乗っているみじん切りの玉ねぎや細切りのキクラゲとの相性は抜群でしたね。
締めにライスを投入すれば米と合わせてスープ完飲は必至。その後の体重増加も必然。なんとも罪作りなラーメンでした。でも、それが幸せだったんだよなあ……。
見た目はアレだがめちゃ美味い「白寿」

※写真は編集長フジタのブログより
こちらは白寿。中央区の古町で長年愛されてきたお店でしたが、2021年8月をもって閉店。
創業は1972年とのことで、実に50年近くものあいだ営業をしていたことになります。半世紀て!

文化遺産ですよこれはもう。ええ。
昔は多くのメニューを提供していたこともあったそうですが、晩年のメニューはらーめんとうま煮そばの2つだけという男気スタイルで営業をしておりました。
店構え同様に風情のある見た目のうま煮そばは、スープの上にたっぷりとかけられた餡が特徴。濃いめの味付けでニンニクが効いており、大変食欲がそそられます。
いろいろなものが値上がりしていた近年でもお値段据え置きの500円でずっと営業をしていたとのこと。様々な面で市民の友やあ……。
閉店後、お店の入口には店主の方から閉店の挨拶文が掲示されていましたが、数日後その隣にお孫さんからのメッセージも掲示されていました。
なんでも2代目店主として長年愛された白寿の味を引き継ごうと考えているとのこと!
時期も場所も未定ですが、またいつか白寿のラーメンを味わうことができる日が来るかもしれません。希望をもって、首を長くして待ちましょう。
新大生の思い出の味「楽久」

西区大学南にお店を構えていたのが楽久。新潟大学の近くにあり、地域住民と学生から長年愛されてきたお店でしたが2021年11月に閉店。
楽久についてはこちらの記事でも取り上げてます。
提供メニューはラーメンとラーメン&チャーハンのセットのみ。いわゆる「ラーチャン」が味わえるお店です。ここに来ると大概みんなラーチャンを食べますね。

新大生のおふくろの味なんですわ。
琥珀色のスープ。その裏にある優しいホッとする味。だけれど気づけばスープ完飲までしている抜群の美味しさ。
ジャンクフード大好きな男子大学生としては一瞬「物足りないかな?」とも感じるのですが、不思議とまた食べたくなる。そんなラーメンでした。
【クラウドファンディング】
— 新潟ラーメン なみ福 (@niigatanamifuku) January 26, 2022
仲間と共に、佐渡ヶ島が一望できる海の目の前の築50年の浜茶屋を改築し「新潟ラーメン なみ福」🍜のオープンを目指します🔥
目標金額は1,500万円。
ぜひ皆さまのご支援とご協力の程よろしくお願い申し上げます!!🙏
👉https://t.co/aVDcvJM3u6#なみ福プロジェクト pic.twitter.com/aL6yhp7GCF
現在、そんな楽久の長年愛された味を守り引き継いだラーメン屋を新たにオープンするプロジェクトが動いています(ツイートのクラウドファンディングは既に目標達成済みです)。
ファンの方は動向を要チェックですね。
新潟あっさり醤油の老舗「東堀 石門子」
こちらは中央区の古町エリア。東堀にあった石門士(せきもんし)です。
5大ラーメンの一つ、新潟あっさり醤油を提供していた老舗でしたが、2016年3月をもって閉店してしまいました。

あっさり醤油系は昔ながらということもあって、老舗が多いんだね。
美しい琥珀色のスープはまさにあっさり醤油。麺はこの系統のラーメンにしては珍しく、低加水ストレートの細麺でした。縮れてないのよね。
チャーシューは分厚く、モモ肉系で肉肉しい歯ごたえ。味付けはシンプルながら、豚本来の旨味がしっかりと際立っていました。
ラーメンだけでなくワンタンメンも人気で、長年古町地区の人の胃袋を満たし続けてくれました。
クリーミーな鶏白湯系ラーメン「きどりらーめん」
こちらは東区江南にありましたきどりらーめん。詳しい閉店時期が分からなかったのですが、2019年6~7月頃にはお店を畳んでしまっていたようです。

食べても罪深さを感じない素敵なラーメン屋でした!
きどりらーめんで味わうことができたのはクリーミーな鶏白湯ラーメン。
濃厚で鶏の旨味が満点なスープは程よいとろみもついており、細麺にしっかりと絡んできます。
スープの上にこんもりと盛られているのは鶏そぼろにほうれん草とネギです。こういうスープとほうれん草の相性は抜群なんだよね。
カウンターには様々な調味料が設置されており、食べる人の好みに合わせて味変をすることもできました。
きどりらーめんは東区にあるお店なのですが、実は各所に看板を出しておりまして、その中の一つが新大前にもありました。
きどりらーめん 徒歩3時間
誰が行けるねん! と思いつつ、どんな店よ? とちょっと気になっちゃいますよね。上手な宣伝広告やで……。
あっさりとこってりの二刀流「麺や吉風」
西区坂井砂山と、東区のフレスポ赤道にあったのが麺や吉風。県民にとっては馴染み深い、僕呼んで「だるまや系」ラーメンのお店でした。
だるまやっぽいラーメンをまとめた記事がこちら
新大前にあったので僕個人としてもよく通っていたお店ですが、西区のほうは2019年1月に、東区のほうは2019年5月に閉店してしまいました。
基本のラーメンは背脂の盛られたこってりと乗ってないあっさりから選ぶスタイルで、このあたりは吉相に近いですね。

大盛が確か10円で、金なし腹ペコ大学生にとっては非常にありがたかったです。背脂も飲めるし。
そのほかにも味噌ラーメンや担々麺などがメニューにありましてね。そのうち担々麺は、僕にとってかなり好きな一杯でした。
ニラがたっぷり乗っていて、山椒の痺れる刺激がたまらなかったんですよね。食べられなくなって個人的に本当に悲しかったです。またどこかで出会うことができたら……!
まとめ いつか終わりはやってくるもの
というわけで今回は新潟の既に閉店してしまったラーメン屋たちを紹介してみました。
僕個人としても思い入れのあるお店がいくつもあり、懐かしい&寂しい気持ちになりましたね。
口にすることができなくなって久しいですが、今でもあの味を僕と僕の胃袋は覚えています。もっかい食いてえなあ。
日本人に数多の教訓をもたらすことわざの中には、このような句が存在しています。

いつまでも あると思うな 親と金と美味いラーメン屋
親と金とラーメン屋はいつまでも存在し続けるわけではないから、きちんと独立して親孝行して倹約してラーメン屋に通えという意味です。
細部はちょっと違うかもしれませんが、大体こんな感じの意味だったと記憶しています。
みんなも好きなお店には最大限の感謝とリスペクトを持って通いつめてね。いずれ必ずやってくる別れの時に、決して後悔することのないように……。
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