内定辞退率10%達成の新卒採用責任者が実践した中小企業の新卒採用成功方法

内定辞退率10%達成の新卒採用責任者が実践した中小企業の新卒採用成功方法

仕事

新卒採用に苦戦している採用担当者はあなただけじゃない

会社は人がいないと成り立たない。という事は、会社の数だけ人事がある。人事があるという事は採用もありますよね。採用担当者の方お疲れ様です。

特に、新卒採用はちょっと特殊です。もちろん、一般的な採用手法ではありますが、中途採用などとは違って学生を採用するという事は即戦力として期待しないことがほとんどではないでしょうか。すぐに会社の業績にいい影響を与えてくれることは難しくても、将来の会社を引っ張っていってくれる人材として採用するケースが多い。純粋に作業要員であれば中途の方が目的を満たしてくれると思います。新卒採用は先行投資です。きっと経営層が求める結果も大きく、期待値が膨らんでいる分、採用担当者はプレッシャーも感じるはず。

だからこそ、採用担当の方でも新卒採用に関しては苦戦している人が多いと思います。今は様々な採用手法が新卒でもありますが、基本的に一括採用なので大企業も中小企業も横並び一線。特に中小企業は名が知れていないので同じ市場で採用しようとすると認知してもらうところからのスタートです。

私も新卒採用責任者をしていたのでよくわかります。

採用責任者として合説で説明する私

私が所属する会社は従業員100人前後の中小企業ですし、いろんなことを考えて毎年市場に合せて手法を検討してきました。でも、そのおかげで、2017卒~2019卒まで毎年50~90人の選考試験の応募があり、3年間で内定を10人に出して9人に承諾してもらえました。言い換えれば、内定辞退率10%。
認知度の無い中小企業、しかも売り手市場の中で、この結果を出せたのは悪くないのかなと。マイナビの担当営業の方からもこの結果は他の中小企業、同業種でもなかなかないと評価いただいています。

そんな私が経験した新卒採用を振り返ってみて、ここまでの結果が出た要因をまとめてみました。根本的に新卒採用に取り組む際に抑えたい要点や考え方が中心です。

こんな人におすすめ

  • 中小企業の採用担当者
  • 新卒採用で内定辞退が多い
  • 初めて新卒採用を行う
  • 学生が集まらない
  • 会社の認知度が低い
  • 採用を強化したいがどうしたらいいかわからない
  • 人手不足で困っている経営者
  • 毎年新卒採用の募集はかけているが採用できない年もある
  • 採用人数がいつまでも充足せず新卒募集が長期化する

会社は人が作るので、採用はとても重要。手を抜きたくないところです。
中小企業の新卒採用で成功するための方法の一つとして参考にしてみてください。

新卒採用成功の定義

中小企業の新卒採用成功方法の前に、「採用成功」の定義だけは押さえておきたいと思っています。
各会社ごとに成功の定義は変わってくるとは思いますが、私が考える採用成功の定義は以下の通りです。


  1. 経営者から採用は成功だったと評価を得る
  2. 採用した人が数年後会社に欠かせない人財になっている



シンプルにこの二つに集約されていると思います。

「1.経営者から採用は成功だったと評価を得る」というのは中小企業の新卒採用において至上命題でしょう。最終面接は必ず経営者(または人事に関する最高責任者)が行うはずです。採用担当者は、企業が置かれている立場や問題を加味しつつ、経営者がどんな人財が欲しいかしっかり把握して、採用戦略を練らなければやみくもに採用活動をしてもその人財は勝手にはやってこないでしょう。採用する人財は誰でもいいわけではないはずなので経営者の考えはしっかり押さえておくべきです。そして、成功かどうかの判断は採用活動が終わり、経営者からの評価で決まります。「今年は良い人財がたくさんいて選ぶのが難しかった」「できれば全員採用したかった」などという言葉を頂ければ大成功ですね。

「2.採用した人が数年後会社に欠かせない人財になっている」は採用活動直後にはわからない事です。採用した人が入社し、何年後かに大活躍して会社に大きな貢献をしたとしたらこれも採用が大成功したと言えると思います。先にも述べた通り、新卒採用は先行投資なので結果は長い目で見ないとわからないのです。

この2つの新卒採用成功の定義を踏まえたうえで、新卒採用を成功させる方法として以下にまとめていきます。

新卒採用を成功させる方法

1.若い社員で採用チームを作る

なるべく若い人に採用へ関わってもらっています

新卒採用は高卒を除く大学や大学院、専門学校卒に限れば19歳~23歳前後の若い人の採用になります。であれば、出来るだけ同年代に近い若い人の方が共感できることも多いし、採用担当者は若い人で固めるべきです。できるだけ20代が良いですね。中小企業だと、採用だけをやっていられる専任者を設ける事は難しいと思うので、一人に任せず複数人のチームを作って活動に当たらせるべきです。アイディアもたくさん出ると思います。かといって、若ければ誰でもいいわけではない。採用担当者は最初に学生に触れる会社の人間として広告塔のような存在です。人選は「誰を採用するのか」という事と同じくらい重要なので慎重に。類は友を呼ぶとも言いますからね。

具体的手法

  • 採用チームは20代で構成する
  • 採用チーム員は厳選する(公募制でも経営者が選定でも手法は問わない)


2.経営者の求める人物像を明確にする

上の新卒採用成功の定義でも書きましたが、成功の定義の一つに「経営者から採用は成功だったと評価を得る」があります。という事は、成功に向けて経営者がどんな人財が欲しいのか求める人物像を明確にしていく必要があります。その際に、現場が求める人材もヒアリングして経営者に伝えるのも採用担当者の役割です。私は各部門長にアンケートを取っていました。人が欲しいかどうか、部門の課題、求める人物像など。すべてを経営者に伝えることはしないですが、必要な部分を伝えて経営者に求める人物像を考える材料にしてもらいます。毎年経営課題に応じて人物像は変わるので、毎年必ず行いましょう。経営者の求める人物像がしっかり明確になったら、採用チーム内で共有します。そして、それを盛り込んで採用テーマやナビサイトに記載する文言などを決めていきます。

具体的手法

  • 経営者と人物像や採用テーマについて話し合いの場を設ける(毎年)
  • 部門長にヒアリングして人に関わる問題を明確にし、経営者に伝えて判断材料にしてもらう


3.会社全体の理解を得て巻き込む

採用チームがあれど、採用チームだけでは採用活動はできません。中小企業であれば全社員の協力が必要です。個別説明会を開くにしても、部門長に部門の説明をしてもらわなければならないし、社員を採用活動に派遣してほしければ許可も取らなければいけません。また、合説、個別説明会、面接と言った採用チーム員自身の採用活動も、本業である仕事を誰かにお願いしてやらなければいけない時もあります。会社全体の理解を得て巻き込むことは必須です。そのために、まずは採用チームは経営者が認めた会社の組織であることを経営者に示してもらう必要があります。組織図に盛り込むことが一番良いです。また、自部門の上長に採用について報告していく事で理解も得られると思います。報告が無いと何しているかわからず不信感が募ります。社内での立場を明確にしつつ、コミュニケーションも取って理解を得る努力をしないと採用活動が良いものになる事はありません。

具体的手法

  • 採用チームを組織図に記載してもらう
  • 各チーム員の上長に採用活動の報告を行う


4.学生の立場に立って考え寄り添う

何事も相手の立場にたって考えることが重要です。採用活動の相手は学生なので「自分が学生だったらどうか?」という視点が必要。採用担当者は、採用広報を通して学生を集めます。会社側が学生に一方的に伝えたいことを伝えるのではなく、「学生は何が知りたいか」という視点で広報しなければなりません。専門的な用語ばかり使っても理解してもらえないでしょうし、「地域No1」などと会社がすごいという事ばかり発信しても学生には響かないでしょう。どんな会社か知りたい、どんな人が働いているか知りたい、いろんなニーズがあるのですべてに応えることはできないかもしれませんが、出来るだけ想像力を働かせて学生に寄り添うべきです。これができていたおかげで志望度を高めることができ、内定辞退率10%と低水準を達成できたと思っています。

具体的手法

  • 社員との座談会を開きどんな人と働くか知りたいニーズに応える
  • 資料作りは学生の立場で誰が見ても理解できるようにする(専門用語は使わない、など)


5.妥協せず一緒に働きたい人だけを採用する

中小企業で新卒採用活動をしても母数はなかなか確保できないでしょう。私が採用活動をした新潟のような地方であればなおさらです。少ない母数から採用しなければならない状況があるかと思いますが、絶対に妥協してはいけません。「選択肢がないからこの人でいいや」という採用は相手にも失礼だし、会社にも有益にならないことが多いです。採用担当としては「一緒に働きたい」と思える人しか選考を通してはいけません。最終的には経営者が誰を採用するか決めますが、採用後に一緒に働くのは自分達です。少なくとも、採用担当者が一緒に働きたくない人を採用するのは大問題です。書類選考、1次選考など初期段階での選考である程度裁量があるのであれば、通すか通さないか悩んだ時に「一緒に働きたいか」で合否は決めても良いと思います。仮に学歴やスキルがどれだけ優れていたとしても、一緒に働いているイメージが想像できないのであれば不合格にしていいという事です。

具体的手法

  • 選考合否判断で裁量がある際には一緒に働きたいと思える人だけを合格にする
  • 採用チーム員が一緒に働きたいと思える人物像を明確にして共有する


6.選考基準は「できる事」よりも「人物重視」で

上の5の深堀ですが、その人のできる事(スキル)よりも人物重視で合否判断すべきです。スキルは入社後に身に着けられるので。でも人物の性格や思想はなかなか変えることはできません。スキルに目が行ったのであれば、「なぜそのような優秀なスキルを学生のうちに身につけることができたのか?」に注目して面接で質問し深堀していけばいいです。そうすると、その人の考えや背景が見えてきます。私が採用活動をしている際も、学生だけど既に企業で案件を頂いて仕事をしている人が最終面接まで行きましたが、採用はしませんでした。即戦力にもかかわらず。逆に、全く未経験の方を採用しました。やはり、どんな人なのかという事が採用においてとても重要と言えます。

具体的手法

  • 優秀なスキルがあれば、それを取得した経緯や背景を深堀りする


まとめ

いかがでしたでしょうか?採用担当経験者の方が読んだら「それは違うんじゃない?」と思う事もあるかもしれません。ただ、最初にも書きましたが、この方法で従業員100人以下、新潟の無名印刷会社、しかも売り手市場にもかかわらず、以下の実績を出しました。

  • 300~400人のマイナビエントリー
  • 50~90人の選考応募
  • 内定辞退率10%の低水準(2017卒~2019卒3年間で10人内定1人辞退)


数字では見えない部分で言うと、新潟県内の銀行や大きいメーカー、新潟でも1,2を争うほど大きい同業である印刷会社など、6社から内定をもらっていたのに弊社に入社をした人もいます。「ほんとにいいの?」と何度も諭しました笑。そういう意味では採用した人の質も高いと思います。3年内離職も1人(寿退社に近い)ですね。退職後も手伝いに来てくれていましたし関係性は良好です。
大した結果じゃないかもしれないですが、無名の中小企業としてはまずまずの結果じゃないでしょうか。この記事の信ぴょう性の根拠としてください。

採用担当者として必要なことはとにかく「他人に関心を持つこと」です。
まずは社内の人間への気配り。その意味で社内理解が必要です。社内の人間関係がうまくいっていないと学生にもその雰囲気は伝わりますから、志望度が下がってしまうかもしれません。そして、学生にも寄り添い親身になって接することです。自分の会社の事だけ言うのではなく、どんな業界に興味があるのか聞き、他社を紹介してもいいくらいです。私は実際やっていました。

「ウチもいいけど○○会社も合説来てるから聞いてきたら?」

って。
学生よりも社会人の私たちの方が他社の事を知っていることもあるので。自分の事だけじゃなく、相手その人の事を本当に想って接すればいいかと。
社内の人間も、学生も、信頼関係を築くことが必要です。まずは自分から相手に関心を持って相手の立場で想像し、考え、先回りすることが必要だと思っています。

何か質問等あれば、Twitter等で気軽に絡んでください。

小池勇樹|セナポンさん (@kikyu0013) / Twitter


中小企業の新卒採用に関わる人にこの記事が少しでも参考になってくれたらうれしく思います。