
オフホワイトの脂の海で……。
本州の中ほど、日本海沿岸に位置する新潟県は一般に雪国と呼ばれる。
広大な県であるため地域差はあるものの、そのイメージに違わず、越後平野にはこの冬も白雪が降り注ぐ。そしてその姿に呼応するかの如く、この地で愛されるラーメンには背脂が降り注ぐ。
煮干しの香りが効いた濃い目の醤油スープを覆いつくさんばかりの真白き背脂。まさに越後の大地を白く染める雪そのものである。人々はこの一杯を指して「燕三条背脂系」と呼んだ。
今宵は愛すべき我が故郷に根付いた、美しくも油ギッシュなこのラーメンを情感たっぷりに紹介させていただきたい。
燕三条背脂ラーメンとは

そもそもの話だけど、燕三条系ってどんなラーメンなのよ?
そうなんですよね。新潟では背油を使用したラーメンをたくさん見かけますが、どういった特徴をもって燕三条系と呼ばれるのでしょうか。
お店の紹介前に、まずはその定義の確認からいきましょう。調べて見たところ、いわゆる「燕三条系」とは下記のようなラーメンのことを指す呼び名のようです。
職人さんたちの要望で、麺は太く伸びにくく、味は濃い目、そして冷めぬように背脂を「チャッチャ」といれたのが始まりとされています。
スープは煮干しベースに豚骨スープを加え、麺は極太の縮れ麺。
燕三条系背脂ラーメンの人気店6選!太麺と濃厚な背脂のコクがくせになる!通販でのお取り寄せ情報もご紹介♪ -新潟永住計画
燕市・三条市と言えば、古くからものづくりの街として栄えてきました。
そこで働く人達の要望に応える形で濃い味に、その塩分を和らげるため、そして出前の際に冷めてしまわないようにてんこ盛りの背油でスープに蓋。さらに麺も極太にして伸びにくく仕上げています。
職人さんのためを思って改良を加えられたラーメンが、今こうして新潟県民のソウルフードとして愛されているのです。

ロマンを感じる話じゃないか……!
新潟で燕三条系を味わうならこのお店で!
らーめん潤

まず紹介するのはらーめん潤。新潟のみならず県外にも店舗展開をしている人気店です。今「燕三条系」と聞かれれば、潤の名前を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
今では背油系への王道トッピングと言ってもいい岩海苔をラーメンに入れ始めたお店とのこと。煮干しが効いたスープに岩海苔の旨味が染み出て最高です。
煮干しがガツンと聞いたスープに、湯気が立たなくなるまで振りかけられた大量の背脂。分厚い脂の層は圧巻ですわ。
押しも押されぬ人気店。まずはここから味わってみてはいかがか?
店舗情報
店舗名 | 燕三条らーめん潤 中山店 |
住所 | 〒950-0861 新潟県東区中山6丁目21 |
営業時間 | 10:00~22:00 |
定休日 | 無し |
サイト | https://www.facebook.com/ramenjun.official/ |
地図 | http://www.ramenjun.co.jp/shop/user_data/store_list.php |
らーめん滋魂

続いては滋魂。写真を見ても分かるかもしれませんが、潤イズムを色濃く受け継いでいるお店です。
もうスープが見えないくらいに振りかけられた背脂。この真白き層の下にはガツンと煮干し風味の醤油スープが眠っています。
丸い太麺はつるっとした食感。背脂の層をくぐらせて口に運ぶと見えてくるのは天国ですわ。
駐車場がやや狭く車を停めにくいのがネック。お昼時は満車必至。時間をずらす、車を使用しないなどの対策が必要です。
店舗情報
店舗名 | らーめん 滋魂 |
住所 | 〒950-0014 新潟県新潟市東区松崎1丁目1−28 |
営業時間 | 11:00~15:00、17:00~19:00 |
定休日 | 水曜日 |
地図 | https://goo.gl/maps/sYdDw8m5hH4xqVTP7 |
関屋 福来亭

西区にある福来亭さんでは、伝統的な燕三条系ラーメンを食べることができます。
それもそのはず。こちらのお店は、燕三条系の元祖と言われる福来亭の流れを組む老舗なのです。
煮干しの効いたスープはすっきりとしていて、これ単体ではあっさり系としても通るような仕上がり。そこに濃厚な脂が加わることでコクと中毒性を生み出しています。
トッピングのメンマはシンプルな味付けでシャキシャキとした食感が美味しい。これが山盛りに入ったメンマラーメンは人気の一杯です。
店舗情報
店舗名 | 関屋 福来亭 |
住所 | 〒950-2023 新潟県新潟市西区小新1546−2 |
営業時間 | 10:00~15:30 |
定休日 | 火曜日 |
地図 | https://goo.gl/maps/4j52eUjrVDkhJTDp6 |
通販でも買えます!
中華そば こころ

市役所前にある中華そばこころさんでも、王道の背脂中華を味わうことができます。
見てくださいよこの背脂。真っ白でふわふわで……本当に雪みたいよね。
スープの色は中々に濃いですが、塩気はそこまで強いわけではなく、ズルズルと食べやすい仕上がり。やや軟らかめに茹でられた平打ちの太麺がしっかりとスープを含んでくれます。
普段は出前も行っているということで、古き良きラーメン屋の形を保っているお店です。
駐車場がないので、車で来訪の際は近隣のパーキング等を利用しましょう。
店舗情報
店舗名 | 中華そば こころ |
住所 | 〒951-8125 新潟県新潟市中央区学校裏町19 4 |
営業時間 | 火、木~土 11:00~22:00 水 11:00~15:00 日 11:00~21:00 |
定休日 | 月曜日 |
地図 | https://goo.gl/maps/riE2bDzKtzdiwvHZ9 |
杭州飯店
中華そば(850円)
名店&超有名店な杭州飯店。福来亭と並んで、燕三条系の元祖と言われる老舗です。
一面の背脂の下にあるのは濁りのない煮干しスープ。醤油の甘みと油のこってり感はありつつ、最後まで飽きずに食べきれる仕上がりになっております。
平打ちの自家製太麺は加水率が高くモチモチでうどんのような噛み応え。これ単体でも非常に美味しい。
古くから地元住民に愛される名店。立地的に交通の便が良いとは言えませんが、それでも一度は訪れてみてほしいお店です。
店舗情報
店舗名 | 杭州飯店 |
住所 | 〒959-1288 新潟県燕市燕49−4 |
営業時間 | 火~金 11:00~14:30、17:00~20:00 土、日 11:00~20:00 |
定休日 | 月曜日 |
地図 | https://goo.gl/maps/1sYyhpZtNzACYb8Q9 |
大むら食堂
中華そば(785円)
こちら、燕にある老舗の大むら食堂でも王道の燕三条系を味わうことができます。
スープとしては他の燕三条系と比較すると、濃い味であるものの煮干しの風味が優しくマイルドな仕上がり。
麺は太麺ですが平打ちではなく、丸くつるっとした食感。こいつが普通盛りで300g入っております。
一般的にラーメン一人前の麺量が200gないくらいと言われているので、これはかなりのボリューム。そしてそう考えると値段が安い~。
安価で美味しくお腹一杯にしてくれる老舗店。ぜひ一度味わってみてください。
店舗情報
店舗名 | 大むら食堂 |
住所 | 〒959-1241 新潟県燕市小高810−4 |
営業時間 | 月、木~日 11:00~15:00、17:00~20:00 火 11:00~14:00 |
定休日 | 水曜日 |
地図 | https://goo.gl/maps/YBEAbZFLnvNV2i6r9 |
まとめ
というわけで今回は燕三条背脂系ラーメンを特集してみました。いかがだったでしょうか?
こういうラーメンに慣れていないと、第一印象で「うっ」となってしまうような迫力がありますが、一度この味にハマってしまうともう抜け出せない、そんな奥深い魅力を持った一杯です。
煮干し香る濃い味の醤油スープから厚い背脂の層を潜らせて麺を引き上げ、テラテラと光るアツアツの麺を一気にすする……。

これが真の”幸”なんだなあ……。
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