皆が新潟の魅力を考える文化を作りたい。ご当地カードゲーム「知域王」制作者 田宮翔さんインタビュー

ヌマジリ

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インタビュー

夏ごろに僕が佐渡へ旅行に言った時に見つけた逸品。それは佐渡を舞台にしたご当地カードゲーム「知域王」。

「あそぶ!まなぶ!すきになる!!」がテーマのご当地カードゲーム。
詳細は下記にて紹介しています。

遊びの中で佐渡への知識が蓄えられていくだけでなく、ゲームとしての完成度も高く、思わず舌を巻いてしまいました。

そして今回、なんとこの知域王の発案者であり、プロジェクト主担当者である田宮翔さんにお話を伺うことができました。

知域王というカードゲーム、そしてこのプロジェクトにかける田宮さんの想いと熱量をお届けします。

田宮翔 Sho Tamiya

1992年6月7日 新潟市生まれ。幼稚園教諭として勤務後、一般企業への転職を志す。現在は愛宕商事株式会社教育事業部にて勤務。入社一年ほどで知域王プロジェクトを立ち上げ、そのリーダーとしても活躍。知域王のイベントや学生への講演など、幅広い活動を行っている。子ども達からの愛称は「ショウ先生」。

ヌマジリ
ヌマジリ

今日はよろしくお願いします。
知域王のことはもちろん、田宮さんご自身のことについても色々聞かせてください!

田宮さん
田宮さん

こちらこそ、よろしくお願いします。

ヌマジリ
ヌマジリ

知域王プロジェクトは田宮さんお一人で進めているんですか?

田宮さん
田宮さん

そうですね、基本的に実行部隊は僕一人です。通常業務にプラスする形で、二足の草鞋……みたいな感じですね。

ヌマジリ
ヌマジリ

それは大変そうですね……!

田宮さん
田宮さん

最近は基本パンクって感じですね……(笑)
でも社内に助けてくれる人は沢山いますし、任せて貰えてるってところで凄く動きやすいですし楽しいです。そこはもう、愛宕商事に感謝ですね。

ボードゲームを遊ぶ人から「作る」人に

ヌマジリ
ヌマジリ

続いて、なぜ知域王を作ろうと思ったかについてなんですが……やっぱり田宮さんご自身もボードゲームが好きなんですか?

田宮さん
田宮さん

はい。元々趣味でやっていて、10年くらいやってるんで。
ボードゲーム作ろうって思ったのも、そこが大きいです。

ヌマジリ
ヌマジリ

じゃあ今は自分の好きなことを仕事に絡めてできているっていう感じですよね。

田宮さん
田宮さん

そうですね。
元々ボードゲームを使って何かしたいという思いと、ボードゲームには可能性があるっていう思いが2つ自分の中に軸としてあったんです。

田宮さん
田宮さん

幼稚園教諭時代の話なんですけど、新潟の冬って本当に遊び道具に困るんですよ。

ヌマジリ
ヌマジリ

外に……出れないですもんね。

田宮さん
田宮さん

そうなんです。そこで調べて出会ったのがボードゲームなんですけど、年齢混ぜても遊べるし、何より楽しい。
でも単純に楽しいだけじゃなくて、例えばちょっと輪に入るのが苦手な子とかでもゲームを通じて輪に入ったりできるし、ヒーローになれたりもする。

田宮さん
田宮さん

そういう姿を見て、「あ、これ凄い良いな」って思って。
単純に楽しい以上のものがボードゲームで得られるなと思って。
それから教育面とか、色んな面で使えるんだろうなっていう思いがずっとありました。

ヌマジリ
ヌマジリ

なるほど……。
それを、愛宕商事さんで形にしたわけですね?

田宮さん
田宮さん

そうですね。ちょうどプロジェクトを起案する機会を貰って、「やってやろう!」と思いました。

田宮さんが幼稚園教諭時代にボードゲームを通して得た「ゲームが楽しい」という想いと、ゲーム以上のものが吸収できる」という確信。

その2つの軸が、「知域王」というゲームが生まれるベースになりました。

「知域王」に込めた思い

佐渡の人達と一緒に作った第一弾

ヌマジリ
ヌマジリ

それで実際に知域王を作り始めたということですが、実際にどのような感じで制作をしていたのでしょうか?

田宮さん
田宮さん

先ほど言ったように、基本的にプロジェクトは私一人で動いていますが、本当に色々な人に助けて頂きました。
制作段階では佐渡の方達にも入ってもらって、意見を頂いていたりして

ヌマジリ
ヌマジリ

あ、そうなんですか?

田宮さん
田宮さん

僕が元々考えてたのが、ゲームを作る時に一人で作っちゃ意味ないなと思ってて、出来る限り色んな人を巻き込みたくて。

田宮さん
田宮さん

ゲームのクオリティはもちろんなんですけど、皆で一緒に作ったっていう制作過程の部分に価値をつけてあげて、そこに魅力を感じてほしかったんです。

ヌマジリ
ヌマジリ

じゃあ本当に、地域の人達と一丸となって知域王を作っていったんですね。

田宮さん
田宮さん

そうなんです。だからこそ、「佐渡のためにありがとう」って言っていただける人もいました。
完成段階からファンがいて、地域の人が告知してくれたりとか、ウチの学校でやろうよって声もいただいて。それは凄い良かったですね。

ヌマジリ
ヌマジリ

テーマを佐渡にしよう! と決めたのは何故なんですか?

田宮さん
田宮さん

僕自身が佐渡にハマったのが一番大きいですね。
自然とか環境とか食べ物とか人とか、トータルで佐渡ってすごい魅力的だなって思ったし、この魅力が埋もれるのはもったいないなって思ったんです。
その思いが上手く制作過程ともマッチして良い形になったなという感じですね。

佐渡の人達と一緒になって知域王を作ったという田宮さん。

原動力の一つとなったのは、佐渡の魅力を埋もれさせたくないという想い。

その強い想いがあったからこそ、佐渡の人達も田宮さんへの協力を惜しまなかったのだと思います。

皆で考えて作る。その過程こそが知域王の持つ最大の魅力

ヌマジリ
ヌマジリ

第二弾は新潟市版なんですよね?

田宮さん
田宮さん

そうなんです。そっちのほうも色々な人と一緒に作っています。
市内の社会科の先生とか、市役所の方とか、司書の方とか。
歴史とか観光とか、新潟の色んなものに詳しい人達に集まってもらいました。

田宮さん
田宮さん

人が増えるって、単純に言えば面倒くさいことだと思うんですよ。人によって言ってることとか考えていることが違うので。

ヌマジリ
ヌマジリ

確かにそうですよね。話もまとまりにくくなる。

田宮さん
田宮さん

新潟の歴史や文化、色々なものを取り上げたいけど、もちろんカードの枚数には限りがあるじゃないですか。
だから、何を入れるか、何が大事なのか魅力なのか。新潟市のことを改めて皆で考えることになる。

田宮さん
田宮さん

先生方も本とか一杯持ってきてくれて。これは欲しいとか、いやそれはいらなくない? なんて言ってて、意見がパックリ割れたりして。

ヌマジリ
ヌマジリ

議論が白熱しそうですね!

田宮さん
田宮さん

でも、どっちが正解っていうのもないと思うんです。それが入っても落ちても、どっちでもいい。
新潟市の魅力を子どもたちへ伝えるゲームに何を入れるのか、何が大事なのをみんなで考えることが大事だと思っているので、適当じゃなく本当にどっちでもいいと僕は思っています。どっちも正解。

田宮さん
田宮さん

このプロセスっていうのは誰にも真似できないし、大きな価値になると思うんです。皆が自分事として大事なことを再認識するきっかけになる。
この過程こそが、知域王というゲームの良さだと僕は思っています。これを大切にして、価値にしていきたいんですよ。

確かにこういうきっかけがないと、大人は特に「地元の魅力ってなんだろう?」なんてことを考えたりはしないのかもしれません。

しかし、いざ限られた枚数で新潟を伝えようと思ったとき、大人だからこそ考えるのだと思います。色々な知識や経験、思い出があるからこそ、改めて地元を考えて調べることになる。

そうしてひとつのゲームを作る過程こそが、知域王の持つ最大の魅力なのだと田宮さんは語ります。

ヌマジリ
ヌマジリ

どういうものが選ばれるのか気になります!
発売時期はいつ頃ですか?

田宮さん
田宮さん

一応、2022年3月くらいを目安にしています。ただまあ……ちょっとどうなるか分からないかもって感じです。でも頑張って作ります!

改めて再確認する地域の魅力

田宮さん
田宮さん

大人世代の人って、「地域の魅力を発信する! そのためにどうしたらいいのか?」っていう方向に目を向けがちですけど、そもそも地元の魅力な何なのかって、よく分かってない人が多いと思うんです。

ヌマジリ
ヌマジリ

新潟市民は特にそうかもしれないですね……。
僕も新潟のことを語る時はつい自虐的になっちゃいます。

田宮さん
田宮さん

僕も最近考えるんですよ新潟市の魅力って何だろうって。
米、酒……でもこれって、新潟市民じゃなくても知ってることじゃないですか。「青森=りんご」くらいのざっくりとしたイメージ。

田宮さん
田宮さん

そうじゃなくて、市民だからこそ分かる深いところまで新潟を知ることができたらって思うんです。魅力的なものって沢山あるんですよ。
歴史とか文化とかも、それを知っておくと色んなことを話せるし、魅力についても考えられるし、逆に足りないものはなんだろう?って考えることもできる。知ることが大事だと思っています。

ヌマジリ
ヌマジリ

確かに……。
地元のことって、案外一番知らないのかもしれないですね。

田宮さん
田宮さん

実は僕、地元内野なんですよ。

ヌマジリ
ヌマジリ

え、そうなんですか?僕坂井です!近い!

田宮さん
田宮さん

あ、じゃあ知ってるかもなんですけど、内野小の桜って超有名なんです。
あと僕の実家裏は漁港で、タコがあがるんですよ。それが道端に吊るされて売ってて、めっちゃ美味しい!

内野小学校グラウンドの桜 画像:Komachi Web 新潟お花見ガイド
田宮さん
田宮さん

こういうのは地元民じゃないと知らないことで、そこを喋れると面白いですよね。
なんもないって言ってしまうのは簡単だけど、実はこういう面白いことがあって、みたいな。

ヌマジリ
ヌマジリ

確かに、ローカル情報って、全然関係ない地域でも聞いてると面白いですよね。

田宮さん
田宮さん

この「地域を知る」ってところでも、知域王を役立ててもらえたらなと思います。

皆さん、自分が住んでいる地域の魅力って何か分かりますか?僕は分かっていません。特に何もないと思っているからです。

遊びに行こう、ご飯を食べに行こうと思ったら車に乗って遠出してしまう。特に新潟は車社会です。幼少期ならいざ知らず、大人になってから近所を歩くなんてこと、そうそうしないですよね。

でも、知らず知らずのうちに大きな魅力を見逃していたとしたら?「こんなに近くにあったのに! もっと通えばよかった!」ってなりますよね。凄くもったいない。

地域を知ることで、暮らしている町がもっと好きになる。目を向けているようで向けていない地元に、改めて焦点を当てることが大事なのかもしれません。 

田宮さん
田宮さん

ちなみに、今第三弾も進めています。テーマは「内野」!笑

ヌマジリ
ヌマジリ

うわー、ローカル~~!

田宮さん
田宮さん

そうなんです。笑
社内でも「行けるのか?」って声があったんですが、探してみたら魅力って沢山あって、カード枚数の中に全然納まらなくて溢れるくらいです。
作ろうと思えば多分どんな規模感でも作れるんです。それには、地域の人の協力が必要不可欠ですね。

ヌマジリ
ヌマジリ

内野で形になれば、「私たちの地元でも作りたい」っていう声が上がるかもしれないですね。

田宮さん
田宮さん

そうなれば本当にありがたいです。
自分達も何かやりたいっていう想いは素敵だと思いますし、何かしらでお手伝いができれば嬉しいです。

好きなこと、やりたいことへ向かうエネルギー

ヌマジリ
ヌマジリ

お話していて改めて感じましたけど、自分の好きなことがはっきりしていて、それを強く持っている人って魅力的ですよね。

田宮さん
田宮さん

そうですね。そういう人と仕事してみたら凄い楽しそうだなって思います。
好きなことを仕事にするって凄い良いと思うし、むしろそうしないと仕事が楽しくないじゃないですか。
やるなら楽しくやったほうがいいな、その方が幸せだなっていうモットーがあって。

田宮さん
田宮さん

元々、やりたい事があって、それをやろう、やろうって言って転職とかしてきた人間なので。幼稚園教諭をやったのも、僕が保育園の頃の先生が滅茶苦茶好きで。……好きっていうのは本当に好きで。

ヌマジリ
ヌマジリ

LOVEの方ですか?

田宮さん
田宮さん

そう。笑
それでずっと憧れてて、小学生の時からずっと先生になりたいって言い続けて、結果夢が叶ったっていう感じなんです。

ヌマジリ
ヌマジリ

凄いですね!
想いが強い……!

田宮さん
田宮さん

でも、結局は転職をして辞めてるんです。
そのきっかけっていうのは、園にやって来る業者さんに憧れて。
今度は中からじゃなくて、外から園とか学校をサポートしたいなと思ったんです。
それで縁あって愛宕商事に入社させてもらって、今こんなことをやっています。

田宮さん
田宮さん

本当にやりたい事をやってきた感じで。……まあワガママですね(笑)

ヌマジリ
ヌマジリ

でも、そのやりたい事とか叶えたいことをちゃんと達成できてますよね。
知域王を通しても子供の教育に役立っているわけですし。

田宮さん
田宮さん

そうですね、ありがたいことに。
上手くいきすぎてちょっと恐いです。笑

田宮さん
田宮さん

僕、元々勉強がつまらなくて、嫌いで仕方なかったんですけど、幼稚園教諭になるための勉強は凄い楽しくて頑張れて、学校で最優秀賞とかもいただいたんですよ。

ヌマジリ
ヌマジリ

それは凄い!

田宮さん
田宮さん

知域王でも、子どもたちがゲームに勝つために地域のことを勉強して覚えるんですよ。自分のノートとか作ったりして。
結果として得た知識がゲームを面白くしてくれるし、その子は自然と地域に詳しくなる。多分そこで覚えたことって一生忘れないと思うんです。本当に理想形だなって思って。

ヌマジリ
ヌマジリ

子供の頃の遊びの知識って、忘れないですもんね。

知域王では観光、グルメ、歴史など、佐渡の様々な要素がカードになっている。
田宮さん
田宮さん

好きなこととか、やりたいこととか得意なことへ向かう原動力って凄いんだなって思っています。 こういうことを、ゲームの中に落とし込んでいきたいって思っていました。

好きこそ物の上手なれ」ということわざがあります。

誰しもが好きなことに対しては一生懸命になるし、工夫して勉強して練習する。でも、好きなことだからそれを努力とは思わない。……大体こんな意の言葉だったかと思います。

田宮さん自身が感じた「好きなことへのエネルギーって凄い」という想いが、知域王の中に確かに生きています。

さいごに

取材を終えた後の雑談の中、僕がふと「リーダーのオハナは群馬出身」ということを言うと、田宮さんがこんなことを話してくれました。

田宮さん
田宮さん

僕、群馬県って個人的に凄いリスペクトしているんですよ。
あの上毛かるた。群馬の歴史とかを伝えているんですけど、地域民は誰でも皆それを勉強して覚えるんですよ。もう文化としてそれが根付いてる。

田宮さん
田宮さん

知域王を通じて、僕もそういう文化を作っていけたらなって思っています。

今回お話させていただいた田宮翔さん。優しそうな外見で穏やかな話し方をされる方ですが、その実「やりたいこと」への想いが人一倍強い、とても熱い人でした。

色んな人を巻き込みながら知域王プロジェクトを進めたい」と仰っていましたが、ただ言っただけでは人は集まりません。

好きなことのために真っすぐ突き進む田宮さんの熱にあてられて、周りの人も「一緒に頑張りたい!」と思うのだろうと感じました。

かくいう僕自身も、お話を伺って「自分も頑張らなきゃな……!」と思いました。事業を立ち上げ、見事に軌道に乗せて見せている姿は、セナポンとして非常に学びのある姿です。

お忙しい中お時間を作ってくださった田宮さん、本当にありがとうございました。これからの知域王の展開も楽しみにしています!

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